どんなゲーム?

 詳しい物語については「ストーリー」の項目を見ていただくとして,このゲームについて書いておきましょう.

 前作「ソロモンの鍵」では星座宮に封印されていた魔物たちが『とある馬鹿(笑)』によって解き放たれてしまい,その魔物たちをすべて元通りに封印するというストーリーでした.石と炎の魔法を駆使して主人公ダーナを操り,固定面を1面ずつクリアしていく設定でした.
 とはいえ前作が制作されたのは1986年のことで,この頃のゲームと言えばストーリーはいかにも「後付け」の感を拭えないものが多かったです.メッセージも英語表記ばかりで,正直言ってメインユーザーとなる小学生にとってはチンプンカンプンでした.

 本作は1992年,家庭用ゲーム機としてはスーパーファミコンに移行しつつあった頃に登場しました.前作との大きな違いは,まずメッセージが日本語表記になっていることです.これでストーリーの内容が把握しやすくなりました.また当時はRPG最盛期を迎えつつあったため,よりゲーム本編とストーリーの関連性を持たせることが重要視されていました.

 今回のストーリーは突然現れた魔王によって氷の島「クールミン島」がピンチに陥り,それをダーナが氷の魔法を駆使して救うという内容になっています.なぜ魔王が突然現れたのかは不明ですが(笑),そんなことはRPGも変わらないので構わないことにしましょう.またこのゲームはどこかの寒い国でおばあちゃんが子供たちにダーナの物語(おそらくは童話)を聞かせるという形式になっています.

 キャラクターは前作とは打って変わってコミカル・アニメ調なものになっています.そのためあまり島の危機感が伝わってこないのが欠点ですが,おそらくは前作のシリアスな設定と一線を画したかったのでしょう.

 ゲームの内容は前作がアクション80:パズル20程度の比率で作られていたのに対し,本作は100%パズルになっています.プレイヤーに難しい操作テクニックを要求する場面はありません.その代わりにパズルだけあって,先の先のそのまた先のさらにもう1歩先まで考えさせる,さながら詰将棋のような側面を持っています.

 このほか,前作ではプレイヤーを散々苦しめた仕様が解放されています.

(1)セーブができる
 どこまでクリアできたかを最大3つまで保存できます.メインだけで100面(厳密には101面)もありますから,これを前作と同じくノーセーブでクリアしろと言われたらたまりません.

(2)すべての面が時間無制限
 これで時間に追われることもなく,じっくり考えることができます.加えてポーズ機能もなぜかついているので,ゲーム中に邪魔が入っても安心(?)です.でもBGMは鳴りっぱなしです.

(3)アンドゥが自由自在
 絶対にクリアできない状態に陥った(ハマった)時も,どんな状態であっても何段階でも操作を戻すことができます.もちろん最初からやり直すことも,それも何度でもできます.これが親切すぎて気に入らないという人も多いかもしれませんが,面によっては本気でこの機能に頼りたくなることが多々あるので,やはりありがたいものです.

 言い換えると,これらの機能により本作ではゲームオーバーの概念がありません.その代わり,得点・パワーアップ・エクステンドの概念も排除されており,GDVの設定もありません.とにかくひたすらパズルに拘ったゲームなのです.これだけ様々な概念を排除したのでは面白くないと考えがちですが,その分制作側は練りに練ったパズルを用意しています.しかもそのアイディアが複雑すぎず,簡単すぎずという絶妙なバランスを保っています.

 そして,このゲームのある意味で最強と言える機能があります.それは「面制作機能」です.ゲームに最初からついている面は全部で150面ですが,この他にも色々な面を作ることができます.つまり,将棋や囲碁と同じく無限の可能性を秘めていることを表しています.
 なおこの機能についての詳しい内容は別サイトにとてつもないものがあるので,当サイトでは扱わないことにします.というより,その別サイトがあまりにも異次元なので(汗).
 まあせっかくですからその別サイトで掲載されている究極パズルを紹介します.全150面をクリアできる人でもこれには度肝を抜かれるでしょう.

 念のために記しておきますが,この面構成はhorus02が制作したものではありません.画像のみ完全自作です.

 このサイトの管理者・霧中の迷人さん(面の制作者とは別の方)とも何度かメールにてお話ししましたが,とにかく初見で顔がひきつりました.無駄なパーツが一切無い洗練されたデザインと,見た瞬間に「これ,どうやってクリアするんだ!?」と思わせる構成です.制作者さんでさえクリア方法を探すのに難儀したらしいです.
 まだこのゲームを知らない方には理解できないでしょう.それで「どこがどう難しいんだよ?」と少しでも疑問が湧いたら実際にゲームをプレイしてみてください.そしてしばらくプレイした後にもう1度この画像を見てください.ここに書いてあることが理解できるはずです.
 ちなみに私はクリアできました.ただクリアするまでにとてつもない時間を費やしました.しかも正攻法ではありません.どうやってクリアしたかは内緒にしておきます.もちろん今は正攻法でクリアできますが.

 例によってなんやかやと長く書き綴ってしまいましたが,歴史に埋もれたパズルゲームの名作「ソロモンの鍵2」の魅力をたっぷり味わってください.


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