どんなゲーム?
(注)かなり筆者の主観が入った紹介です.
このゲームは,アフェクト(AFFECT)より2000年6月に発売されたプレイステーション用ゲームです.タイトルの通り,童話「オズの魔法使い」の世界をモチーフにした作品です.ある日突然竜巻に遭遇した少女ドロシーが“オズ”という魔法の世界に迷い込んでしまいます.その世界では大異変が起こっていました.ドロシーは様々な人(?)達との出会い・別れをくりかえしながら,ついにオズの世界へ平和をもたらし元の世界(カンザス)へ戻る,というものです.
ここで原作「オズの魔法使い」について触れます.といっても,私はこの作品について殆ど知識がありません.私の知る限りでのことを書きます.
この作品は14部にわたって構成されており,ドロシーがカンザスに帰った後も延々と様々な物語が繰り広げられます.ドロシーはまたカンザスからオズの世界へ逆戻りしたりもします.最終的にはドロシーは何度かカンザスとオズの世界を往復した末,叔父(ヘンリー)と叔母(エム)を連れてオズの世界へ永住することになるようです.
今から何年前になるでしょうか.TVアニメで放映していたのを何度か見た記憶があります.アニメ版の内容は(特にオズマ姫の設定について)原作とかなり変更されているようです.うっすらとしか記憶が無いのでこれ以上語ることはできません.原作の方は機会を見て全14冊を読んでみようと思っています.実際,この作品をプレイしている途中,あまりにも自分が原作の世界観やキャラクターを知らなすぎることに気づき,わざわざ書店を歩き回って第1番目の本を購入しました.現在は5冊入手しています.段々と,どのシーンがどこから引用されているのか分かってきました.
原作に関する情報を詳しく知りたい方は,リンクを辿って下さい.
話を元に戻しますが,このゲームは,原作を知り尽くしている人は勿論,私のようなあまり知らない人にでも楽しめるものです.
このゲームは,3Dのアドベンチャー&ロールプレイングです.プレイヤーは主人公ドロシーを操り,オズの世界に起こった様々な事件を魔法のアイテムを使って解決していきます.途中ミニゲームが行われたりもしますし,主要なシーンではキャラクターがボイス付で会話をし,臨場感を醸し出します.ストーリーの流れ自体はそれほど複雑ではなく,人によってはつまらないと感じることも多いかもしれませんが,変にややこしいよりはいいでしょう.
注文をつけるとすれば,キャラクターの3Dポリゴンが粗すぎて(例えばドロシーの三つ編みがダイヤ型だったりする),ボイス付のシーンでさえ無機的に感じられるので,もうちょっと各キャラを丁寧に表現して欲しかったです.でも定価3000円程度の低予算(<これはどう考えても低予算でしょう)ゲームだから仕方が無いかもしれません.それに,低予算なのにわざわざ声優を起用する必要はあったのか,という疑問もあります.確かにこれはこれでよくムードが出るのですが,余計なところで懲りすぎてしまったのでは,という懸念が残ります.
しかし,ジャケットのイラストを見て「面白そう」と99%衝動的に買ってしまった上,オズの世界のことをろくに知らなかった輩にそんな偉そうなことを言う資格はありません.要は最後に面白かったと感じれば,それでいいのです(あくまでも私のような輩は,です).
本ゲームがリリースされた2000年は原作「オズの魔法使い」の第1作目が発表されてからちょうど100年です.節目の年に作られたゲームというわけです.ここで全く新しいオズの世界に浸ってみるのはいかがでしょうか.
とはいうものの,アフェクトによれば既に生産は終わっているとのことです.中古屋でもネットオークションでもなかなか見あたりませんし,ましてや新品状態で入手するのは至難の業です.根気よく探すと良いでしょう.