悪魔くん
〜魔界の罠〜
１９９０年発表．開発社は○ン×イ［注：名誉毀損を避けるため伏せる（ちょっと本気）］．テレビ朝日系で放映されたアニメを元にして作られたロールプレイングゲームで，原作者は「ゲゲゲの鬼太郎」でお馴染みの水木しげる氏である．
このゲームはおそらく，私が入手している中では最も凶悪なクソゲーだ．否，クソゲーと呼ぶにも値しない存在だ．
先ず納得しないのがコンティニュー方式．
この頃のＲＰＧは既に「ＤＱ」＆「ＦＦ」をはじめとして，バッテリーバックアップによるセーブ方式が主流だというのに，何故それに逆行するのだろうか．しかも隠しパスワードが腐るほどあって，適当に入力しても当たりが出る（運が悪くても５回くらいやればヒットする）．おまけにそうやって再現されたデータというものは，殆どがバグ（実際は違う→パスワードに関する考察参照）になっていて，レベル１でスタートしたのに１回敵を倒しただけでいきなりレベル２０とか３０にアップしてとんでもなく強くなってしまうということが多い．場合によっては，買ったその日に３０分とたたないうちにラスボスを倒すこともできるのだ．世の中は広いので，本当に経験した人もいるだろう．しかし，いくらなんでもこんな事が許されていいのだろうか！？
これだけでもかなり凶悪ぶりが伺えるが，他にも沢山ある．１９９０年リリースという事を頭に入れて読んでいただきたい．
・ストーリーがクズ
多彩なキャラが登場するのに，ただ流れ落ちる水のごとく「敵を倒す→レベルアップ→遠くへ行く」の連続．仲間が出てきたと思ったら，大して台詞のやり取りが無い．メフィスト２世は「水」を持っていくだけで仲間になる．ヨナルデ・パズトーリなんて出会っただけで仲間になる．これでは感動も何も無い．キャラ個々の魅力も感じられない．
・果てしなき闘い
ゲーム序盤，ケルベロスを倒すまで経験値稼ぎしかすることがない．しかも，レベルが低いと攻撃は殆ど命中しない．つまり経験値を稼ごうにも敵を倒すのに時間がかかりすぎる．これではヤル気が削がれるのは必至．
・救世主はウンコ
主人公の悪魔くんに全然魅力が無い．かっこいい台詞を言うわけでもない．カード投げは外れやすい（レベル１だと１００％外れる）．気合いを入れて放った魔法陣が外れる．同じ魔法陣使いでも，ククリと違ってダサい．これで１万年に１人の存在かァ？ とっとと家へ帰って親父（売れない漫画家）のアシスタントでもやってろ！
・良い子にとって手痛い演出
戦闘で時々『敵が眼前を通り過ぎる』だけで終わることがある．どうしてこう時間の無駄遣いをする演出ばかり考えるのだろうか．「ＤＱ」でも『スライムが現れた』『スライムは逃げ出した』というのがあるが，これは一瞬のうちに終わってしまうので問題ない．だがこのゲームではわざわざ“敵が右から左へスクロールする”ところまでやっている．これでは「１日１時間」という中で貴重な時間が過ぎ去っていく．ちなみに私は悪い子なので「１日１時間」など無視．従って被害は半減する・・・わけが無い！
また，全体攻撃または回復の時，キャラ別にダメージｏｒ回復のメッセージが出る．それは「ＤＱ」も同じだが，１回あたりの時間が長いのはどうにかならんか．全員で戦っている場合は実に１３回．コマンド入力した後，トイレに行って来てもまだ次のコマンド入力待ちまで進んでいなかったこともある．とにかく進行のペースが遅い．
・友情なんてクソくらえ
戦闘中，仲間が機嫌を悪くして勝手に帰ってしまうことがある．しかも攻撃力の高い奴に多い．ムシャクシャするんなら，それを敵にぶつけりゃいいだろ．「コツける→帰る」なんて，１２使徒のやる事か！！ それもラスボス戦で．
一番ヒドい奴がサシペレレ．「ぼくもいっしょに戦うよ」とか言って仲間になるのに，いざ戦闘に入るとすぐヘソを曲げる．お前もう帰れ！
さらにヒドい演出がある．時々戦闘時に，呼んでいなくても加勢に来てくれる奴もいる．大変有り難い，と思わせておいて・・・
「メフィストIIが加勢に来てくれた．」
「メフィストIIは何もしなかった．」（機嫌が悪くなるとこうなる）
「メフィストIIは逃げ出した．」（勝手に帰る）
となる事が稀にではあるが，起こる・・・・・・何しに来たんだテメェ！！！
・崩壊サウンド
ヒョボくて全然ムードが出てこない．音楽も効果音も．はっきり言って，担当者が投げやりで作ったとしか考えられない．植松さんにお願いするとかいう考えは無いのか．尤も，引き受けるわけがないか．
・それしか言う事は無い
ラスボスが『世界の半分をお前にやろう』と取引してくる．「ＤＱ」と変わらねえじゃん！ 小学生だって「きょうはおうちでおいしいハンバーグをたべるからいらない」って言うぞ．ましてムー大陸なんぞ誰がいるか！
・予想通りエンディングはカス
「ＭＢＪ」の方が感動的．「ＤＱ」や「ＦＦ」と比較するなんて以ての外．
と，挙げればきりが無い．このゲームをプレイした後，「ＦＦ３」でサロニアのイベントを見たら，涙が止まらなかった（爆）．とても同じ年にリリースされた作品とは思えない．○ン×イ，少しはスクウェアを見習え！！
とにかく，時代遅れの方式とテンポの悪さが素晴らしい相乗効果をなしてことごとくプレイヤーを妨害する．だから私はこのゲームを最初から律儀に話を進めてクリアするなんてことはしていない．自分で言うのもなんだが，私は根気がある方だと思う．でもこのゲームはさすがに投げ出した．
そしてたどり着いた結論．
この後しばらくの間あのロゴマークにアレルギーを抱くようになってしまったのは，言うまでもない．
実を言うと，今もなお私の手元には箱も取説も保管されている．取説の一番最後のページにはこう記されている．
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おことわり ゲーム内容について，電話でのお問い合わせには一切お答えできませんので，ご了承ください． |
文体が他のページと著しく異なるのは，こういうゲームだからである．こんな長ったらしい愚痴話を最後まで読んでくださった方へ，感謝．
パスワード解析をしてみると詳しく分かるかと思いますが（ここからまた文体が戻る），このゲームのパスワードは経験値とレベルをそれぞれ独立に制御しているらしく，レベル１なのに経験値が５０万などという事が多々あります．そして敵を倒すことにより，その経験値に該当するレベルまで一気に上昇するという形です．
私はパスワード解析などという技術は持ち合わせていませんが，その気がある方は試してみて下さい．おそらく，仲間のステータスなど多種多様な要素があるがゆえに，パスワードのヒット率が異常に高くなっていると思います．
実際問題として，適当に入力して外れた場合でも，最後の１桁を０〜９の数字どれかに変更すればほぼ間違いなくヒットします．
最近面白い現象を発見しました．ワールドマップ画面では，各キャラクターのステータスを見ることができます．その中で，悪魔くんの場合だと装備しているタロットカードも見ることができるのですが，たまに「ヨイショ」を装備していることがあります（笑）．この状態で戦うと，メッセージでは普通にタロットを投げるのですが，そのイフェクトは滅茶苦茶です．グラフィックは，画面両端にマメユーレイが飛んでいく形で，サウンドは“タロットを投げた音の後に百目の「メダマ」の音が続く”などという訳の分からないものになっています．笑える演出ではありませんが，試してみたい方は以下のパスワードでどうぞ．
これは，１２使徒が全員揃っています．とにかくこれでその演出が見られます．本当は，悪魔くんが「ヨイショ」で金をむしり取る方が面白いんですけど．
｛ばかばかしいプレイ｝
低レベルクリアの前段階として，レベル１でケルベロスを倒すことに挑戦しました．内容を改善しました．詳細はこちら．
番外
｛ちょっとお願い：（とくに）Winユーザの方へ｝
ホームページでよく使われている「ローマ数字」は，機種依存文字です．つまり，ＯＳが違うと文字化けしてしまいます．パソコン所有者の殆どがWinユーザなので，大抵の人には支障が無いのですが，筆者のようなMacユーザにとってはこれがかなり目障りな存在です．
上記の紹介文で「II」というところは，アルファベットの“大文字アイ”で代用しています．文字化けを防ぐためです．試しに，Macでの“ローマ数字２”を表示してみましょう．
��
上の文字，Winでは文字化けしているはずです．丸付き数字や単位記号も
�� （＜まる１）
�� （＜センチメートル）
のように文字化けしてしまうんです．ネットでの禁則文字としては「半角カタカナ」が有名ですが，それ以外にもあるということをここで認識していただきたいと思います．間違っても，メールなどでは使わないようにして下さい．
こういった文字は，大手企業のホームページでもしょっちゅう目にするので，あまり認識度は高くないようです．
そして最後に・・・「パソコンはWinしか無い」と思っている方，もっと世間を広く見て下さい．どうか，おねげーします．（m._.m）