ウラ話


私が入手している攻略本には開発スタッフの色々なウラ話が掲載されています.
全部を紹介するのは無理なので,一部を抜粋・要約した上で紹介します.

・なぜ第1作目がMBJ?
ご存知のようにこのゲームは旧テクモが社名変更の上ファミコンに進出することになった最初のソフトです.
まっさらな状態から作るのは困難なので,先に制作しておいたアーケード版のソフトを流用しようということで「ボンジャック」が選定されたそうです.
「ボンジャック」は本作の「王家の部屋」を連続でクリアしていく固定面ゲームでした.
そこに制作の段階で縦横のスクロールが加わり,ピラミッドという舞台設定も加わるなど自然と膨らんでいったそうです.
それでも元作品があるということでテンポよく制作が進み,結果3か月半という異例の早さで完成したそうです.

・爆弾以外に何か欲しい
ゲーム中の基本は爆弾を取っていくことですが,やはり爆弾だけでは物足りず,何か配置できないかと苦慮したそうです.
その切欠は何とディズニーランドのアトラクション「カリブの海賊」だったそうです.
アトラクションの途中で海賊達が宝箱の奪い合いをする場面に遭遇し「これがいい」と思い,翌日(!)すぐ設定したそうです.

・パワーアップ導入はパワーダウン導入
元作品に無かったパワーアップという要素はやはり導入したかったということですが,大きな問題が生じました.
このゲームは元々が他のアクションゲームに比べてパワーアップしている状態と言えます.
裏技やアイテムが無くても縦1画面分ジャンプできるし,横移動もかなり速いです.
つまりパワーアップを導入するということは,言い換えればパワーアップ状態より低い能力を導入しなければならないということです.
だからといってジャンプ力を下げたり横移動を遅くしたりと,自機操作に関する能力を下げてしまうとゲーム自体が面白くなくなるそうです.
そこで色々考えた結果が主に宝箱周辺での能力変化だったそうです.
それに付随して通路中でも間接的ながら敵を倒すことができるようになった,とのことです.

・拷問部屋は自然発生した
欲張ると強烈なお仕置きを食らってしまう「拷問部屋」という設定は,制作会議の中で自然発生的に生まれたアイディアだそうです.
誰ということなく,会議をやってるうちに出てくるものらしいです.
「部屋に閉じ込めてしまったら面白いだろう」と.

・GDVは社長の発案
GDVは当時の社長が自ら提案したものだそうです.
理由は単純で「今の子供は偏差値教育に慣れているから」.
ゲームにも当時の教育体制を反映したという意味では画期的だったかもしれません.

とまあ,主立ったところを紹介しました.
1986年ということで,今となっては大昔になってしまうわけですが,当時のゲーム業界の主流や世相を素早く取り入れようと果敢に挑戦した意欲が窺えます.


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